彗星の旅
番組タイトル: 「彗星の旅」
対象: 小学中学年~一般
再生時間: 本編22分
ジャンル: サイエンスノンフィクション、単発対応
ナレーター: 村井 杏子
監修: 小林 仁美・中道 晶香(LLP京都虹光房アストロ・アカデミア)、
河北 秀世(京都産業大学 神山天文台長)
台本: PDF
トレーラー
彗星と一緒に旅をしよう
夜空を彩る彗星。それは、突然私達の前に姿を現します。
彗星は太陽系が生まれた頃に誕生し、地球をはじめ惑星のもととなった天体とも言われています。番組では、太陽を目指して旅をする彗星を追いかけながら、彗星のふるさとから太陽までをリアルなCGでご覧いただけます。
そして、最新の研究によって明らかにされた彗星核の姿や、彗星の尾の性質、さらには起源の違いによる軌道の種類や流星とのかかわりなど、彗星の全体像をお伝えします。
彗星の軌道とふるさとの関係
彗星は惑星同様、太陽の周りを運動している天体ですが、その軌道の形や傾きは実に様々です。
その軌道速度は太陽へ近づくにつれて加速していき、近日点を通過する時が最大、その後太陽から離れるにつれ、速度を落としていきます。
もともと彗星は、海王星以遠に帯のように広がった「エッジワース・カイパーベルト」と、太陽系を取り囲むように分布した「オールトの雲」という2つの領域からやってきていると考えられています。
彗星の構造とその正体、特徴
時に「汚れた雪玉」に譬えられる彗星核は、氷とチリの塊です。
彗星核のおよそ半分は、水や二酸化炭素や一酸化炭素の氷、残りが砂粒のようなチリです。
太陽に近づくにつれ、彗星核表面は太陽光にあたためられ、氷が少しずつ蒸発します。
それと同時に、氷の中のチリも放出され、これらが尾やコマと呼ばれる彗星の薄い大気となります。
彗星の最大の特徴である尾は、コマに含まれるチリやイオンが、太陽光による圧力を受けたり太陽風に流されてできたものです。
コマを観測し成分を調べたところ、なんとメタンやエタン、アンモニアなどの有機物が見つかりました。
いずれも、生命のもとであるアミノ酸やDNAを生み出すのに欠かせないものです。
彗星は、生命のはじまりの鍵を握る、天体なのかもしれません。
彗星と流星群との関係
彗星が軌道を何度も何度も周回することで、核から放出された比較的大きなチリが、ダストトレイルと呼ばれるチリの帯を形作ります。
地球は、公転する間にいろいろな彗星が作り出した複数のダストトレイルを横切りますが、そのときに一定の方向から流星が流れて来るように見えます。
これが、1年の決まった日にピークを迎える流星群となるのです。
彗星の多様な運命
惑星の重力によって軌道が変えられてしまったり、惑星にぶつかったりする彗星もあります。
あまりにも太陽に近づき過ぎて、蒸発してしまう彗星もあります。
惑星の重力に軌道を変えられて、太陽系から弾き飛ばされ二度と戻って来られない彗星もあります。